(1)在留カードによる中長期在留者の管理
日本での就労や又は地位や身分に基づく生活を希望する外国人は、その多くが「中長期在留者」に該当します。日本では、この中長期在留者である外国人の身分関係、居住関係及び活動状況を正確かつ継続的に把握し、入管法に基づき適切に在留管理を実施する為に、中長期在留者に対して、入国時に上陸許可行うと共に「在留カード」を交付しています(入管法19条の3)。在留カードのサイズは、日本の運転免許証と同じで、表面と裏面に当該外国人に関する情報が記載されます。そして、中長期在留者は日本に在留する期間、交付された在留カードを常に携帯する義務が有り、入国審査官、入国警備官、警察官など、法務省令で定める国又は地方公共団体の職員から在留カードの提示を求められた時は、提示しなければならないことになっています(ただし、16歳未満の方は携帯義務の適用外となっています。)。
中長期在留者
入管法19条の3では、在留資格を持って日本に在留する外国人の内、次の各号に掲げる者以外の者を中長期在留者と定めています。
- 3月以下の在留期間が決定された者
- 「短期滞在」の在留資格が決定された者
- 「外交」又は「公用」の在留資格が決定された者
- 1~3に準ずるものとして法務省令で定める者(「特定活動」の在留資格が決定された、①台湾日本関係協会の本邦の事務所職員又はその家族の構成員としての活動、又は、②駐日パレスチナ総代表部の職員又はその家族の構成員としての活動)
在留カードの記載事項
在留カードには、当該外国人の顔写真の他、表面と裏面に以下の事項が記載されます。なお、在留カードには、ICチップが搭載されており、カード券面に記載される事項の全部又は一部を、電磁的方式により記録しています。
- 氏名、生年月日、性別及び国籍・地域(入管法施行令1条により、台湾並びにヨルダン川西岸地区及びガザ地区)
- 住居地
- 在留資格、在留期間及び在留期間の満了日
- 許可の種類及び許可年月日
- 在留カードの番号、交付年月日及び有効期間の満了日
- 就労制限の有無
- 資格外活動許可を受けているときは、その旨
各種届出
在留カードの交付を受けた中長期在留者は、カードの記載事項に関する内容に変更等が有った場合には、それぞれ、住居地を管轄する市区町村、又は各出入国在留管理局に届出をする必要があります。届出先、届出内容、届出期限は以下の表の通りです。これらの届出を期限内に行わなかった場合、罰金に処せられる場合があるので、確実に届出を行わなければいけません。
・届出先 | ・届出内容 | ・届出期限 |
---|---|---|
市区町村 | 1. 上陸後、新たに住居地を定めたとき 2. 在留資格変更許可後、住居地を定めたとき 3. 新住居地に移転したとき | 住居地を定めた日(住居地を既に定めている者については、在留資格変更許可等の日)、又は新住居地に移転した日から14日以内 |
出入国在留管理局 | 1. 氏名、生年月日、性別及び国籍・地域に変更が生じたとき 2. 所属機関に関する変更が生じたとき 3. 配偶者との離婚又は死別があったとき | 変更があった日から14日以内 |
有効期間と更新
在留カードの有効期間は、原則、在留期間の満了日までとなっています(16歳未満の者は、在留期間の満了日、又は16歳の誕生日のいずれか早い日まで)。よって、中長期在留者は、自身の在留期間の満了後も日本での在留を希望する場合には、有効期間満了日までに在留期間更新許可申請を行い、許可を受けると共に新たな在留カードが交付されます。ただし、在留期間が無期限である「永住者」及び「高度専門職2号」によって在留する者は、カード交付の日から7年を経過する日までが有効期間となっています(16歳未満の者は16歳の誕生日まで)。
在留カードの更新について、有効期間が在留期間の満了日までとなっている者以外(「永住者」及び「高度専門職2号」)は、有効期間の満了日の2ヶ月前から(16歳未満の者は、16歳の誕生日の6ヶ月前から)有効期間の満了日までに出入国在留管理局にカードの更新申請をすることができます。この更新申請を申請期間中に行わなかった場合、懲役刑又は罰金に処せられる場合があるので必ず更新申請をしなければいけません。
以上が、「在留カードによる中長期在留者の管理」についての説明です。行政書士(申請取次行政書士に限る)は、日本での在留資格に関する様々な申請を、外国人の方に代理して申請することができる書類作成の専門家です。日本での就労や生活をご希望の外国人の方や、外国人材を雇用したいとお考えの事業者様は、当ブログをご覧頂き、是非、当事務所にご連絡ください。当ブログ又は以下の当事務所ホームページからお問合せをお願い致します。