(1)はじめに ~監理技術者制度運用マニュアル~
建設業法や建設業法施行令では、建設工事現場の施工の技術上の管理をつかさどる者として設置される配置技術者について定められており、その具体的な運用について、「監理技術者制度運用マニュアル(最終改正 令和4年12月23日)」が国土交通省で作成されています。このマニュアルでは、監理技術者等の設置に関する事項、監理技術者等の専任に関する事項、また、監理技術者資格者証や講習に関する事項等、制度を運用する上で必要な事項について整理し、運用に当たっての基本的な考え方を示しています。建設業許可業者は、この運用マニュアルに従って建設工事の適正な施工を確保する必要があります。ここでは、いくつかの記事に分けて、この運用マニュアルの内容について説明していきます。
(2)配置技術者の区分
主任技術者と監理技術者
建設業者が工事を施工する際に設置が求められる配置技術者は大きく2種類に区別されており、「主任技術者」と「監理技術者」と呼ばれます。この区分は請け負った工事の下請契約の請負金額の合計額で分けられており、その金額が4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)となる場合に、監理技術者の設置が必要となります。反対に、この金額未満の場合には主任技術者を設置します。なお、この基準となる金額は、特定建設業での許可が必要となる基準と同額です。つまり、監理技術者を必要とするのは発注者から建設工事を直接請け負う元請業者のみということになります。また、主任技術者や配置技術者は、建設業許可取得の際の要件である、各営業所での常勤が求められる専任技術者との兼任は原則としてできません。
要件
主任技術者又は監理技術者としての要件は、建設業許可の一般建設業と特定建設業の許可区分での専任技術者に求められる要件と同じで、主任技術者の場合は一般建設業での要件(建設業法第7条第2号イ、ロ又はハに該当する者)となり、監理技術者の場合は特定建設業での要件(建設業法第15条第2号イ、ロ又はハに該当する者)となります。(特に、指定建設業7種の工事に係る管理技術者については、国家資格者又は国土交通大臣が認定した者に該当する必要があります。(建設業法第15条第2号イ又はハに該当する者))
以上が、「建設工事現場の配置技術者①」についての説明です。この他、配置技術者として特例監理技術者や監理技術者補佐が有ります。こちらについては次の記事で説明します。当ブログでは、建設業法に関する情報についても発信していきますのでご覧ください。そして、建設業者様の技術者に関するお問合せにもご対応させて頂きますので、是非、当事務所にご連絡ください。当ブログ又は以下の当事務所のホームページからお問合せください。