(1)建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用メリット

 建設キャリアアップシステム(CCUS)の目的としては、技能者の技能レベルを適正に評価し処遇の改善に繋げ、また、技能者を雇用し育成する建設業者が伸びていける環境を整備することとされています。そして、CCUSを普及させることで、特に若年層の技能者が将来に渡って安心して働ける建設業界を作り、業界の人材確保に繋がることが期待されています。これについては、当ブログでも別の記事で触れましたが、では実際にCCUSを利用することで、技能者や事業者(元請業者、下請業者)にとって、具体的にどの様な評価基準が有り、それを受けることによってどんなメリットが有るのかについて説明します。今回は、技能者にとってのメリットを以下に挙げます。

技能者にとってのメリット

 技能者にとっての一番のメリットは、これまでに説明した「適正な能力評価による処遇改善」です。その能力評価は、建設工事分野ごとに認定された能力評価実施団体による評価によって行われます。では、その流れを説明します。まず技能者は、情報登録された工事現場に設置されたカードリーダーにCCUSカードをタッチして、日々の就業履歴を蓄積します。これにより、①経験(就業日数)、②知識・技能(保有資格)、③マネジメント能力(登録機関技能者、職長経験等)がデータとして蓄積されていきます。そして、技能者が該当する工事分野の能力評価実施団体に対して能力評価を申請し(有料)、各団体が定められた能力評価基準を基にその蓄積データを審査することで、技能者の技能レベルがアップします。能力評価実施団体については、2023年5月1日現在、40の分野において認定されています。これらの団体は、能力評価制度推進協議会の構成員であり、本制度の推進を図っています。審査後、(一財)建設業振興基金により新たに発行されるCCUSカードの色によって技能者のレベル表示がなされます。カードの色は、白(初級技能者)→青(中堅技能者)→シルバー(職長として現場に従事できる者)→ゴールド(高度なマネジメント能力を有する者)とレベルアップするにつれて変化します。そして、技能者が所持するCCUSカードのレベルに応じて、処遇改善がなされる仕組みとなっています。この仕組みは、今後、CCUSの普及と共に整備されていくものと思われます。

 以上が、「建設キャリアアップシステム(CCUS)の利用メリット(技能者)」についての説明です。今回は、CCUSを利用による技能者にとってのメリットについて説明しました。技能者にとっては、適正な能力評価に伴う処遇改善というメリットが有り、その能力評価は、認定された能力評価実施団体によって行われ、カードの色によって処遇改善がなされるという仕組みです。CCUSは官民が一体となって推し進める制度であり、今後、元請事業者を中心に普及が更に加速していくと思われます。所属される技能者の方々の処遇改善や、将来的な建設業界の発展の為に、お早めの登録をお勧めいたします。行政書士は、建設業者様に代わってCCUSへ代理登録することができる専門家です。当ブログをご覧いただき、登録をお考えの際には、是非、当事務所にご連絡ください。当ブログ又は以下の当事務所ホームページからお問合せをお願い致します。

「行政書士梅田ゆうき事務所」